Way_starhin

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スタルヒン球場への道(最終章)

はじめに
 監督、コーチ、選手の皆さん、父母の皆様、大会初出場   での準優勝
おめでとうございます。
この素晴らしい結果を、データーブックから転記しました。
さまざまなシーンで…同じ気持ち、同じ想い、同じ願いを共有した感動の
一部でも甦り、思い出として語らいの一翼を担えると幸いです。

[Y.k*m*d]

 Sutaruhin ani

【0回裏表】

PM12:20

 3年連続区予選突破の偉業を掛けた毎日Jr戦のため、扇の要<ムガ>とホットコーナの{サトル}が抜け
6年生10人とチームの古参、野球をよく知っている5年{リョウ}の11人で 決勝戦に挑む。
思い起こせば、昨秋のスポ少新人戦準決勝、場所は同じく太陽球場で対戦して いる16丁目フリッパーズ」…
… でも選手は到って冷静だった。何でって?(…それはねぇ_正直勝てると思わんかったんです!)

PM12:40

  メンバー票交換、攻守決定のため主将{ケイスケ}が呼ばれる。
最近ジャンケンに負け続けても気にしてない。…今回は一生懸命考えたけど、やっぱり負けて先攻となる。

    <よっしゃ!いつもどおりだぁ、いけるどぅ!!>

PM13:03(試合開始)

【1回表】
 1番センター{キミタカ}2-0と追い込まれるも3球目を振りぬくとピッチャー横へ高く弾むゴロ。
ピッチャーカットし1塁送球するも 俊足飛ばし、間一髪セーフ({キミタカ}は思った…ラクラクセーフだネ)
ムードメーカー {キミタカ}さっそく出塁、バッテリィ-を揺さぶるつもりだった。けど…
2番は、なななんとキャッチャー{カズユキ}。{カズユキ}の1-1のとき{キミタカ}盗塁するも、さすが
「16丁目…」盗塁刺・1アウト、({キミタカ}は思った…さすが16丁目だなぁ!)
{カズユキ}2-2から、いつもの意識しない振り遅れがファースト正面のイージゴロ、2アウト
({カズユキ}は思った…まあ転がしたから、まっいいか)
3番マルチプレイヤー・サード{ヒロユキ}1-1後、サードの頭上を狙う流し打ち、惜しくもファール。
2-1となり4球目、「低い」と思い、見逃したが審判コールはストライク。三振3アウト
({ヒロユキ}は思った…俺は去年より身長が伸びたんだよ…)
1 o

【1回裏】
  先発{ケイスケ}先頭打者に2-3、8球粘られるがピッチャーゴロに討ち取る。
慎重にファースト{ツカサ}にトス。{ツカサ}、笑顔でグローブより先に素手で取る 1アウト
({ツカサ}は思った…緊張しちゃった。この次は手が痛いからしっかりグローブで受けよう)
2番打者0-1から三遊間を破られ{キョウヘイ}練習どおり回り込む。
({キョウヘイ}は思った…軽い・カルイ、今日は体がよく動く)
走者は3番打者の時、2盗・3盗とバッテリ―を揺さぶる。
さらに3番・4番に粘られ連続四球1アウト満塁のピンチとなる。
5番打者1-1から右中間の大飛球、{カズマサ}うまく回り込んだが、1歩届かずヒット。
1点先制される。
なおも満塁。でも{ケイスケ}は動揺せず、心の中で童謡を口ずさみ6番打者のフライをサードを制し
自ら取る。2アウト。
続く7番打者のサードファールフライは、さすがに{ヒロユキ}に任せた。3アウト。0対1

 「玄人の目:大量失点になりうるところ、{カズマサ}が判断よく回り込んでシングルヒットで止めたのだ」
1 u
【2回表】
 4番{ケイスケ}初球のど真ん中見逃す。「積極的にいけ!」のゲキに2球目強振。
ピッチャー頭上を抜けセンター前ヒットかと思われたが、なんとセンター猛ダッシュ、セカンドベースやや後方
から矢のような送球をファーストへ…
あらまぁ、センターゴロになっちゃった。1アウト
({ケイスケ}は思った…ま、この次、この次(切り替えが早いネ))
(センターゴロを見た{キミタカ}は思った…俺の守備でお返ししてみせる)
5番ショート{ヨウヘイ}2-2からの5球目、バックネット直撃ファール、6球目、先の回{ヒロユキ}が見逃
してストライクに取られた低めを強振するも空振り、三振、2アウト。
({ヨウヘイ}は思った…今日の俺はバットが振れている)
6番ライト{カズマサ}1-0後、狙いどおりのセンター返しでライナー性の当たり、しかしセカンド
がベース寄りの実に、いい位置にいた。おしい…3アウト、チェンジとなる。
({カズマサ}は思った…アレ何であんなとこで守ってるの?…でも今日の俺はバットコントロールができる)
2 o
【2回裏】
 8番打者に選球され2-3とされるも6球目、
よくコントロールされた低めの球で見逃し三振にとる。1アウト
({ヒロユキ}は思った…あれは俺の時よりも明らかにストライクだ、カットしないと…)
9番バッターを2-1と追い込むもファール3本、ボール2球選ばれ9球目、{ケイスケ}の頭上を抜けるゴロ、
セカンドの{カズキ}よく追いつくもファーストへ送球できず。送球してもセーフだった。OKよく止めた。
1アウト、走者1塁。
走者、1番打者の初球に盗塁。{ケイスケ}低めへの丁寧な投球で1番打者をピッチャーゴロとするが、
走者は判断よく進塁し2アウト3塁。ピンチは続く。
次打者は、前の打席に三遊間を抜かれた2番、2-1からセンターへの大飛球…。レフト寄りに守備
していた{キミタカ}>俊足飛ばし、間一髪地面スレスレで好捕。3アウト
({キミタカ}は思った…見た目より俺って守備範囲が広いネ)
2 u
 



【3回表】
 7番セカンド{カズキ}ボール・ストライク・ボールと見逃し1-2、4球目低め球空振り、ボックスを外し
いつもの低い声で「来い!」5球目またも低めに投球されチップ、だが捕球され三振1アウト
({カズキ}は思った…「来い!」と言ったら、低めが来た。次は「こ~い!」にしよう)
8番ファースト{ツカサ}ボール・ファール・ボール・ファールで2-2。5球目の外角をカット狙うが、思った以上に
バットが短くて空振り三振。しまった。いつもよりバットを短く持っていたのだ。2アウト
({ツカサ}は思った…でもワクワクするなァ。楽しいなァ、うれしいなァ…)
9番レフト{キョウヘイ}初球ストライク、際どい球を3球見逃し1-3。5球目バット微かに動いたが
自信を持って見送り四球。この試合初めての四球ランナーとなる。2アウト 1塁
{キョウヘイ}1塁ベースを大きくリードしピッチャーを牽制する(誰に教わったのか、戻りは反復横跳び状態で
地球と人に優しい{キョウヘイ}が相手ピッチャーを珍しく挑発する)
(先輩のK.K直伝か… または、同期のK.Aか?)
({キョウヘイ}は思った…今日は緊張していない、球スジはっきり・クッキリ、サインが出たら走る…)
打順トップ{キミタカ}0-1から2球目、背中になんと有り難くも死球。
(今度は痛くないオケツにお願いネ…)
でも、そうとう痛かったか、ダブルアクスル1回転半  着地は見事、笑顔で決めて1塁へ。 2アウト 1・2塁
願ってもない、もらったチャンスで2番<カズユキ>2-1からファール3つ、7球目に相手ショートが
穏やかなるテクニシャン{キョウヘイ}のリードに吊られて三遊間が広くなったところを引張りにいったが
内角球に詰まらされショートへのポップフライで3アウト。チャンスを逃す。
({カズユキ}は思った…ありゃ!フリャイを上げちゃった…(と横目で父さんを見る))
<カズユキ>眉を寄せてレガースを着ける{ヤスマ}と{リョウ}が手伝いながら
「ドンマイ・ドンマイ…」無表情を装う{カズユキ}の眉毛間隔安堵で広くなる。 さあいけ{カズユキ}守りの要!!
声を出せ、大丈夫! ガッチリ守ってピッチャー助けろ!…のゲキが飛ぶ
3 o
【3回裏】
 3番バッター1-0後三遊間に高くバウンドしたゴロ。レフティ<ヒロユキ>ジュンプ捕球しノンステップで送球、
これがファーストレフティ{ツカサ}の前でワンバウンド、アリャ~エラーか?と思ったところ、{ツカサ}体を思い切り
伸ばし見事に掬い上げ塁審にアピール。アウト!の声が響く。ファインプレーだ!!  1アウト
({ツカサ}は思った…ドキっとしたけど、俺がピンチを救ったネ)
({ヒロユキ}は思った…俺の素早い送球も光ったネ) 
4番打者に2-3と粘られる、6球目がフラフラとレフト前の小飛球、{ヨウヘイ}巧みに回りこみ、これを捕える。2アウト
5番打者0-3とボール先行、ここは{ケイスケ}よく粘り2-3とした後の6球目、サード前のクルクルと言うの
かボテボテと言うのか、クルボテ状態の変なゴロ。掴み損ねて、これが内野安打となる。
打者6番、{カズユキ}の肘を気遣い、執拗な必要な牽制球をファーストへ、その3球目に痛恨のボーク。 2アウト2塁
1-1からバッター勝負の3球目、ファースト、キャッチャー間の小フライ。
普段のセカンド守備では1度も見せたことない<カズユキ>が懸命のダイビングキャッチに飛ぶ…
しかしミットに届かずワンバウンド、これがフェア・ゾーンに転がる。
カバーの{ケイスケ}矢のようなファースト送球もセーフ、この間2塁走者、本塁を突くが
{ツカサ}がホームカバーの{ヒロユキ}へ好返球、 {ヒロユキ}完璧ブロックでタッチアウト!! ピンチを逃れる。
3 u
【4回表】
 3番{ヒロユキ}、セーフティバントの構えで相手バッテリ-、内野手を揺さぶる。2-2から地を這ような当たりも
セカンド正面を突く。1アウト 
4番<ケイスケ>コーチのいつもの言葉「右足・右足…」を思い出し、この打席は突っ込まずに
軸足しっかりと、迎えに行かぬ様、心の中でタイミングを計った。ピッチャーの投球フォームに合せ 口づさむ
<ミーギィアシ ア・ソレ ミーギィアシ>のリズムで強振、功奏し、2球目三遊間を真二つ、糸を引くよ
うなするどい打球でレフト前に打返す。1アウト 1塁
5番{ヨウヘイ}0-1からバックネット直撃ファールを④連発、ボール2球見極め2-3、狙いすました8球目だった。
測ったように右中間の真中深々と破る大3塁打。1塁走者{ケイスケ}楽々ホームイン同点に追いつく。
({ヨウヘイ}は思った…ほらネ、今日の俺は、タイミング・バッチリさ  父さんから **** ゲットだ)
6番<カズマサ>鋭い当たり惜しくもファールで2-2、5球目微妙なコース、判定でストライク見逃し  2アウト 3塁
7番{カズキ}この日の選球眼よく2-3、6球目も余裕で見送り四球で出塁、1・3塁。
8番{ツカサ}の初球、{カズキ}果敢に盗塁、キャッチャーのセカント送球ワンバウンド、セカンドが処理をもた
つく間に本塁を窺っていた走者の{ヨウヘイ}本塁を陥れる。2対1 逆転!
({カズキ}は思った…ラッキーマンになった。次も積極的にいくぞ)
バッター{ツカサ}の3球目、ピッチャーの投球がワンバウンド、キャッチャー前に弾く、これを見た{カズキ}
3塁狙うが、キャッチャー素早くサードへ送球、タッチアウトとなる。3アウト チェンジ。不運、しょうがない、
切り替えだ{カズキ}! 
4 o
4回ウラ
 逆転した裏の回、先頭バッター切れ!とゲキが飛ぶ。この回先頭7番バッターを0-1からサードゴロ
けっしてやさしいバウンドではないが、{ヒロユキ}難なくさばき、{ツカサ}ヘ 1アウト。
8番初球ピッチャーゴロで2アウト。
…とってもとっても良いリズム…だったんだ。だが9番打者にストレートの四球。あららアララアララ
(しまった! 打者3人切れ…と言わなかった…)

打順トップに戻り、その初球、{カズユキ}、刺そうと懸命な送球も届かず、盗塁される。   2アウト 2塁
打者1-0からセンター前に打ち返す。2塁から走者ホームイン・同点とされる。2対2  バッター2番 2アウト 1塁
初心者マーク付 キャッチャー{カズユキ}に試練は続く…肩を見抜かれ走られ放題…
ワンバウンド投球を身を挺して防ぎ、ステップして目いっぱい送球も、走者に2進・3盗を許す。
2番打者も徹底してセンター返しのバッティング、またもセンター前に落とされ 2対3 逆転される。
3番打者、盗塁走者を2塁に置き、右中間にライナーで運ぶ。{カズマサ}懸命に回り込みシングルで止め
るが、走者ホームイン この回3失点で 2対4 
1番~3番連続安打、走者盗塁で得点圏のパターンが続く。
守備の時ベンチに残る{ヤスマ}と{リョウ}のたった2人の懸命の声援と外野から内野から
チームメイトの励ましが聞こえたか!?{ケイスケ}間を取って4番打者を2-2からピッチャーゴロとする、
{ツカサ}両手で拝み取り。3アウト チェンジ 2点を追う事になる。

準決勝での投球51球、そしてこの試合ここまで88球、{ケイスケ}予定回数よく投げきった。
さあ逆転だァ!
4 u



【5回表】
 8番{ツカサ}仕切りなおしの打席、1-3から流し打ち、惜しくも鋭い当たりのファール、
6球目、誰しも目をつぶる様な際どい球を平然と見逃し、これがボールで四球。
({ツカサ}は思った…先頭バッターだもんね、…♪♪ よかったァ)
9番{キョウヘイ}1-2から選球確かに選び連続四球、ノーアウト1・2塁のチャンス。
({キョウヘイ}は思った…今日の俺ってチャンスメーカーだナ…エンドランが出たら走る!)
ここで、投手の連投の疲れを見て取った相手ベンチが動き、セカンドがピッチャー、ピッチャーがセカンドの
守備位置がそれぞれ交替。
打順トップ{キミタカ}2-3で8球粘り、9球目センター前にポトリと落とす。練習どおりで{ツカサ}
{キョウヘイ}巧みにハーフウェイでボールが落ちたのを確認し、それぞれ進塁。ノーアウト満塁のビックチャンス。
再び得点圏にランナーを置き2番{カズユキ}となる。サインは初球スクイズ。
{カズユキ}サードライン側にうまく転がしたが、ピッチャーカット、走りこんできた{ツカサ}にタッチ、1アウト、
すぐさまダブルプレーを狙いファースト送球。
これが低投になり、ファースト後逸、ファールゾーンにボールが転々。ツーランスクイズ気味に本塁を覗っていた
{キョウヘイ}が足のモツレをスキップ状態で上手にごまかして、笑顔で見かけ上の楽々ホ―ムイン、
3対4 1点差 
さらに ライトからの返球を掻い潜り{キミタカ}も1塁から長駆ホームインで同点とする。4対4
この送球間に{カズユキ}3塁に進む。
1アウト 3塁。勝ち越しのチャンスに3番{ヒロユキ}2-2-から際どい球を2球カット、9球目、ライト前に
きれいに打ち返す、だが当たりが良すぎ正面だったのと、ライトの思わぬ強肩に刺された。
ライトゴロ、2アウト。
しかしこの間{カズユキ}余裕のホームイン、再逆転。この回3点  5対4 1点勝ち越した。
4番{ケイスケ}逆転し安心したか?おまじない「右足・右足…」を忘れてしまった。   3アウト
5 o
【5回裏】
 この回から満を持してピッチャー{ヒロユキ}そしてなんとサードに(公式戦初めて){ケイスケ}となる。
規定練習投球数を投げ終え{カズユキ}の守りを締めるコールが終わり、ボールが{ヒロユキ}に渡った
時、{ヒロユキ}が振り返り、内・外野に向かって声をかける「まかせたぞ~!」応える内・外野
…うんうん、いい雰囲気!
この回先頭5番打者、1-0から高く、たか~くセカンドフライを打ち上げた。{カズキ}ゆっくり前進
構えたが、上空曇天で白球が見ずらかった。天の悪戯でセーフとなる。
内・外野から「どんまい・ドンマイ」の声が駆けめぐる。{カズキ}皆に応える。頑張れ!!
走者は6番打者の初球に盗塁を決め、6番打者のサードゴロの間に3塁へ。
1アウト 3塁で7番打者、2-1からセンター前に運ぶ、ランナー ホームインし同点 5対5となる。
8番打者の2球目、7番打者盗塁、セカンドに達する。
({カズユキ}の送球も際どいタイミングになってきたが… )
しかし、{ヒロユキ}の巧みな牽制球により、2-3塁間に挟み{ヨウヘイ}ランナーへタッチ。
2アウト ランナー無しとする。
8番打者は四球を選ぶ。{カズユキ}の思いを乗せた必死の送球も、皆の願いも届かず、
ランナーに盗塁を許し 2アウト ランナー2塁 時間的にも、サヨナラのピンチ。
9番打者2-1からファール、ボールとなったところで{ヒロユキ}プレートはずし十分に間をおいて、息を整
え投じた6球目だった。
打者のバットが空を切った。三振 3アウト。

決勝戦で なんと促進ルール適用 だァ!!

 「玄人の目:あのくらい高く上がって、まっすぐ落ちてくるボールは取りづらいのだ。
              (あの当たり、つどーむ、だったら天井に当たってるネ)」
5 u
【6回表】_促進_表
 3塁-カズユキ、2塁-ヒロユキ 1塁-ケイスケ ノーアウト 満塁、打者5番{ヨウヘイ}から促進プレイ
開始となる。
初球フルスウィングがバックネット直撃のファールとなる。
({ヨウヘイ}は思った…イケル、タイミングは合っている。いつものコースを待っていよう)
(いつもの母さんの声「あせるな・あせるなぁ~」が聞こえている)
ボール2球見送り1-2から狙っていた球がきた…。前打席より、深々と右中間、真二つに破った
ランナー一掃の長打(記録3塁打) 8対5
ホームを狙えの声で{ヨウヘイ}躊躇わず、3塁を廻る、
しかし本塁寸前、相手中継が素早く決まりタッチアウト!
何でや!…しまった… ライトは{ヒロユキ}を刺した強肩だった。
中継したセカンドは先発ピッチャーだった。… ごめん…{ヨウヘイ}
6番打者{カズマサ}押せ押せムードの初球、快音残しレフトへの大飛球、惜しくもレフト背走捕球
される。
ごめん…{カズマサ}、俊足{ヨウヘイ}のサードで犠飛、1打点を損させたネ 2アウト
7番{カズキ}闘志前面に出すも、3アウト チェンジとなる。


3点リードで守備に散っていく子供たちの後姿を見て、… いかに無欲で臨んだ試合とはいえ
ここまでじつにチームワークよく、頑張った子供たちを勝たせたい、勝ってほしいと願っていた。

6 o
【6回裏】
 7・8・9番がそれぞれ塁をうめ、打順はトップからプレイ開始となる。
1番打者、2-2と追い込み5球目、ファースト小フライ、{ツカサ}勢いよく飛び出しファールゾーンでキャッチ。
笑顔で{ヒロユキ}に返球、({ツカサ}は思った…今日は何から母さんに話そうかな) 
1アウト 満塁 8対5 3点差
2番打者、初球右中間に打ち返す。{カズマサ}、セカントへ返球もセーフ。3塁ランナーがホームイン。
8対6 2点差
3番打者、またも初球、ショートフライとなる、これを{ヨウヘイ}懸命の背走でキャッチ。
2アウト 満塁 8対6 2点差
4番打者 相手は初球からの積極攻撃、またまた初球にサード-キャッチャー間の小フライ、
{カズユキ}飛び込み、懸命にミットを伸ばすも落球、フェアになる。
懸命のカバーで{ヒロユキ}がボールを拾うがどこにも投げられず、ランナー、ホームイン
2アウト 満塁 8対7 1点差。
さすがにうなだれる{カズユキ}に{ツカサ}が…{カズキ}が…{ヨウヘイ}が…{ケイスケ}が…
「どんまい。どんまい…」…
外野からも声が聞こえた…{カズマサ}{キミタカ}{キョウヘイ}が…ベンチの{ヤスマ}と{リョウ}が…声援を送る。
そして{ヒロユキ}が{カズユキ}に近づき言った「カメェ~気にすんな、この試合絶対勝つから!」
うなずいた{カズユキ}が Vサイン で「2アウトォ~!」
そうだ2アウトだ、あと一人だ、バッター勝負だ!
打者5番 そう、奇しくも5番、前の回の5回とまったく同じカウント1-0からの2球目、
打者もカウントも打球の方向もまったく同じだった。
5回ウラの始まりが6回ウラの終わりになった。
まるで録画されたプレイを再生するかのような高く高く上がったセカンドへのフライ。
{カズキ}ゆっくりゆっくり前進…足が止まって…。
ほんの数秒のことだったに違いない…
でも{カズキ}のグローブへボールが収まるまで…、
ボールの落下軌跡がグローブに隠れて見えなくなるまで…
とても長い、そして真っ白で静寂な時間だった…

{カズキ}がしっかり掴んだウィニングボールの入ったグローブを高く差し上げた時…
アウト~! のコールがあった。    
ホームベースへ走って集まってくる選手たち、笑顔の子、すでに泪の子、泪をこらえている子
みんな、とってもいい顔をしてゲームセットのコールを聞いた。
6 u

     両軍ベンチ、応援席からの拍手…
ベンチの{ヤスマ}と{リョウ}の小さな拳のガッツポーズ、スタンドの歓声、コーチとの握手。……
私はその後の数十秒を覚えていない。

ただ、気が付くと表彰式までの時間、選手たちの汗とハナミズを拭いた、たくさんのオシボリ
    をせっせと片付けていたのは、** コーチ と **** コーチだった。

                    (こらぁ、選手みんなで、片付けなさい!!)
PM14:51
記録終了
 

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